東京国立博物館:東博コレクション展《日本美術の流れ》
- 期間
- 2026年4月8日~5月24日
- 会場
- 本館2階13室
当財団常盤山文庫所蔵の「乾峰士曇賛 芦葉達磨図」が東京国立博物館の東博コレクション展「日本美術の流れ」で展示されます。
「芦葉達磨」という画題は、禅宗の初祖である菩提達磨がインドから中国へ渡り梁の武帝と問答したものの、意が通じず機縁がないことを知り、一枚の芦の葉に乗って長江を渡って北方へと去ったという伝説を描くものです。本作では筆数を最小限に抑えた減筆体により、芦の上で風に吹かれる達磨が巧みに表現されています。
図の上部には鎌倉時代から南北朝時代に活躍した禅僧・乾峰士曇(1285-1361)の賛があります。乾峰士曇は筑前博多の出身で、東福寺第十一世の南山士雲に師事してその法を嗣ぎ、京都の東福寺、南禅寺を歴任し、文和年間(1352-55)には鎌倉の建長寺、円覚寺を兼任するなど、京都・鎌倉の両五山をまたいで活躍しました。賛に「前住南禅」とあることから、乾峰が南禅寺を退いた観応年間(1350-52)から没年にあたる康安元年(1361)の間に着賛したことがわかります。
思いが通じぬことを悟り芦の葉に乗り河を渡る達磨の姿、風に吹かれながら彼は何を想っていたのか、そんな想像を、四月から五月、春から初夏の季節を感じながら楽しんでいただけたらと思います。



