三彩弦文瓶
さん さい げん もん へい
- 鉛釉陶 17.1㎝ 口径5.7㎝ 底径7.0㎝
- 北斉時代 7世紀
No.21033
盤口をいただいた下膨れの胴に弦文装飾をまわしたこの瓶は、全く同じ器形を出土品から探ることはできないが、表面にゴマを残す白い素地や釉調、底裏の作りから北斉時代の三彩と考えられる。色彩を異にする複数の鉛釉の施釉は唐三彩で開花するが、透明と緑と褐色という三種の鉛釉を用いた三彩は、早くも北斉時代、山西省太原市の婁叡墓(570年)に出土例がある。常盤山文庫には本作と三彩蓮弁文四耳壷、三彩壷が一括資料としておさまっており、二点については紀年墓からの出土資料が知られる。
掲載図書
常盤山文庫中国陶磁研究会会報3『北斉の陶磁』公益財団法人常盤山文庫、2010年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)