白釉緑彩四耳壷
はくゆう りょくさい し じ こ
- 鉛釉陶 総高26.1㎝ 高21.2㎝ 口径9.0㎝ 底径9.8㎝
- 北斉時代 6世紀
No.21031
中心に丸い孔をあけた角形の耳を四つ肩に置き、肩から降ろした刻線が胴中ほどで八弁の二重蓮弁状に削り出された形状の壷である。土は白く、全体に透明の鉛釉がかかり、頸部八ヶ所から胴下部にかけて緑釉を流し掛けしている。
肩に角形の四耳を置き、八弁の蓮弁文を削り出した形状の壷は、河南省安陽の6世紀前半の東魏墓に出土品がある。報告書によれば、胎は白色を呈すが化粧土がかけられ、青緑釉がかかるとある。青緑釉とはおそらく透明を目指しながらも雑物が残った結果発色した鉛釉と推測される。この出土例から考えると、蓮弁削り出しの意匠を施した有蓋四耳壷という器種はすでに東魏には現れており、北斉にかけて白い土、銅呈色の技術が現れ、本作のような作品が作られるようになったということではないだろうか。
掲載図書
常盤山文庫中国陶磁研究会会報3『北斉の陶磁』公益財団法人常盤山文庫、2010年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)