東京国立博物館東洋館 特集展示「日本人が愛した官窯青磁」 《お知らせその3 南宋官窯と米色青磁》
- 期間
- 平成26年5月27日~10月13日
- 会場
- 東京国立博物館東洋館
東京国立博物館東洋館の特集展示「日本人が愛した官窯青磁」展、三つのテーマのうちのその2「南宋官窯と米色青磁」についてご紹介いたします。
南宋時代、浙江省には宮廷用の陶磁器を焼くための窯、官窯が置かれました。そこで焼かれた青磁のうち、酸化炎焼成によって黄褐色に焼きあがったものは、稲穂の色にたとえて米色青磁とよばれてきました。
現在米色青磁とされている作品は世界に4点、すべて日本にあります。一方で、乾隆帝が蒐集した故宮伝世品には、ここに見るような米色青磁は1点もありません。
欧米の官窯研究の基準が故宮伝世品であったころ、日本では杭州領事をつとめた米内山庸夫が郊壇下官窯窯址で採集した陶片が、判断基準の一つになりました。大量の陶片の中に青の青磁とともに黄褐色のものもあることを知っていた小山冨士夫は、黄褐色の青磁瓶があらわれたとき、作品に官窯の風格を見たうえで、青でないという理由、故宮にないという理由でそれを官窯の枠組みから外すことをしませんでした。
今回の展示では、青の官窯青磁の白眉、東博所蔵の青磁輪花鉢(重要文化財)と並べて飾ります。青と米色の対比をお楽しみください。
また、別ケースに展示した米内山陶片もあわせてご覧ください。