事業計画


令和2年度事業計画

1.美術品の展観
①自主企画展覧会

常盤山文庫は令和5年に創立80周年を迎える。
これを記念し所蔵品寄託先である東京国立博物館の協力のもと、同館において「創立80周年記念展覧会」(仮称)の開催を計画しており、今年度はそれに向けて本格的な準備に入る。
なお、開催時期は未定だが令和5年の春季を予定している。

②展覧会への出陳等

本事業計画立案時における出陳依頼はつぎのとおりである。(一部出陳展覧中を含む)
なお、期中に依頼等があった場合は、検討し適宜対応する。

  • 東京国立博物館東洋館 総合文化展「中国の青銅器」
    開催期間:令和元年11月19日~令和2年4月21日
    出陳作品:「白磁獣耳瓶」
  • 東京国立博物館東洋館 総合文化展「中国の陶磁」 
    開催期間:令和元年11月19日~令和3年3月21日
    出陳作品:「青磁盤」
  • 東京国立博物館本館 総合文化展「日本美術の流れ」
    開催期間:令和2年3月17日~4月26日
    出陳作品:「帰郷省親図」(重要文化財)
  • 東京国立博物館東洋館 総合文化展「中国 墳墓の世界」
    開催期間:令和2年3月3日~7月5日
    出陳作品:「白釉突起文碗」「白釉緑彩有蓋四耳壺」
  • 九州国立博物館 展覧会名称等未定(九州国立博物館・太宰府天満宮共催)
    開催期間:令和3年2月~同年3月(予定)
    出陳作品:「北野天神縁起絵巻 巻上」「綱敷天神像」(いずれも重要美 術品)ほか10数点
  • 東京国立博物館および九州国立博物館における出陳

当法人所蔵品のうち、彫刻、工芸、中国絵画は東京国立博物館に寄託しており、日本絵画および墨蹟についても同館への寄託手続きを進めている。
これらが完了すると同館常設展における多ジャンル作品の出陳機会が増すことが予想される。
また、昨年4月に天神作品を九州国立博物館に寄託したことにより、同作品が常設展示されている。

2.研究活動
①中国陶磁研究会

公益財団法人として常盤山文庫は研究活動を大きな特徴としている。
その主なものは、当法人内に平成18年に設置した中国陶磁研究会の活動であり、この研究成果を会報に纏め、東京国立博物館の協力を得ながら特集を組んだ展覧会を開催してきた。
今後も研究会によって築いた研究者との繫がりや同博物館との協力関係を維持継続してゆくとともに、研究対象に関わる出張調査等も積極的に行う。

②講演・講座

当法人学芸員佐藤サアラは、これまで中国陶磁研究会の研究成果に基づく講演・講座依頼を受けた場合、応じてきた。
今年度は、本年2月15日に行った東京美術倶楽部特別公開講座第1回「青磁のはなし 宋代を中心に」に引き続き、4月18日に第2回「白磁のはなし その始まりと展開」を開講する。

3.美術品の公刊

出版事業への協力として、学術機関、研究者、出版社等から学術研究・美術鑑賞に益する出版物に当法人所蔵作品の掲載依頼があった場合、諸条件を勘案のうえ写真撮影等に応ずる。
本年度は、美術雑誌『国華』で常盤山文庫の特集が組まれることになっており、この編集にあたり、書画については板倉聖哲東京大学教授を中心に東京国立博物館の諸研究者の協力を仰ぎ、工芸については佐藤学芸員が担当する。
なお、本誌発刊は本年末の予定である。

4.図書・図録の刊行および販売

上述の創立80周年を記念し、当法人所蔵作品の図録発刊を計画している。
内容等については、出版にご協力いただく東京国立博物館と今年度から検討・協議することとしている。
また、当法人所蔵中国陶磁コレクションを特集した図録の発刊も検討している。
平成20年に第1巻を発刊した「常盤山文庫中国陶磁研究会会報」は、現在まで7巻刊行した。
今年度刊行の計画はないが、次巻発行に向けて今後調査研究を深める。
なお、既刊会報の販売については、従来から販売委託をしている東京国立博物館、繭山龍泉堂において引続き行う。
また、既刊図録「天神さま」は東京国立博物館において委託販売を行う。

美術品の特別観覧

学術研究上、当法人所蔵品の実見およびそれに伴う写真撮影の申出があった場合学術的意義を検討、保存上の条件等を考慮のうえ、これに応じる。

6.修理保存

所蔵品の保存維持及びよりよい展示に備え、今年度はつぎの1点の修復を行う。
所蔵品番号12005「芦葉達磨図」

7.美術品の購入

当法人の所蔵品として相応しいと思われる作品があった場合、購入を検討する。