楓橋夜泊図 雪心等柏 賛
ふうきょう やはく ず せっしんとうはく
- 紙本淡彩 90.8×13.8㎝
- 室町時代 15世紀
No.13003
縦長の画面に岩石・屋木・橋・遠山などが周文流の構図を以て配置されている。図上賛部には「独釣子記題」の款記と「雪心」の白文円印があり、これが天龍寺や相国寺に住した雪心等柏(1459年没)よるものとわかる。雪心等柏は室町時代の禅僧であるが、画僧としても知られる。画風の類似に加え雪心等柏の賛を伴う「山水図」がバーク・コレクションにあり、それに「秀盛」印が捺されていることから、本図も「秀盛」なる画家によるものとされてきた。
掲載図書
松下隆章『室町水墨画』第一輯、室町水墨画刊行会、1960年
『世界美術全集7 日本(7)室町』角川書店 1962年
『菅原通濟愛蔵美術展』毎日新聞社、1964年
『飛梅余香』常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
松下隆章「秀盛の数点の作品」『仏教芸術』69号、毎日新聞社、1968年
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
松下隆章「秀盛の数点の作品」『日本水墨画論集』中央公論美術出版、1983年
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)
『常盤山文庫×慶応義塾 臥遊―時をかける禅のまなざし』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2003年(解説 松谷芙美)