コレクション

海棠白頭翁図  祐周 筆

かいどう はくとうおう ず  ゆうしゅう

  • 紙本着色 45.4×29.5㎝
  • 室町時代 16世紀
No.13028

満開の花をつけ枝を屈曲させる海棠に一羽の白頭翁(椋鳥の別名)がしばし羽を留め、右下に鋭く視線を向ける様を捉える。小画面ながら緊張感のある動感が表現されている。図の右上に「祐周」の白文重郭方印が捺され、この図の筆者が祐周であることを伝える。祐周は逸伝の画家で、『本朝画史』に「墨山水を画く、雪村の筆意に似る」とあり、浅岡興禎の『古画備考』も同文を載せるのみで、16世紀中ごろに活躍した絵師と想像される。

松下隆章『室町素墨画』第一輯、室町水墨画刊行会、1690年
『菅原通濟愛蔵美術展』毎日新聞社、1964年
『飛梅余香』常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)
『常盤山文庫×慶応義塾 臥遊―時をかける禅のまなざし』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2003年(解説 松谷芙美)