コレクション

猿猴図  和玉楊月 筆

えんこう ず  わぎょくようげつ

  • 紙本墨画 51.2×30.2㎝
  • 室町時代 16世紀
No.13069

和玉楊月は15~16世紀に活躍した画僧。猿猴図は、鎌倉時代に中国から日本にもたらされていた。南宋末元初の画僧、牧谿が描いた「観音猿鶴図」(大徳寺所蔵)がその代表である。本図はいわゆる牧谿様式という、輪郭を用いない柔らかな筆線で描かれている。猿猴図の一つに、猿が水面に映った月を眺める、あるいは月に手を伸ばすといった「猿猴捉月」の主題があり、本作品の猿も水面の月を眺めているのかもしれない。

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)
『時空をかける禅のまなざし 臥遊』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2023年(解説 松谷芙美)