コレクション

白磁壺

はく じ こ

  • 高17.5㎝ 口径8.0㎝ 底径8.8㎝
  • 初唐 7世紀後半
No.21082

いわゆる万年壺のような張りはない撫で肩長胴の壺で、高台はなく裾がわずかに外に返って平底を作る。口は縁を外に捻った作りとなっている。内外ともつややかな釉がかかり、無釉の底裏に見る土は白い。釉色は灰みや青みの全くない温かみのある白色を見せている。本作のような胴に張りのない長胴で、内外施釉、胎土は白色緻密と記された白磁壺が、7世紀後半の陝西省西安の紀年墓から出土しており、年代を考える上での指標となるかもしれない。白磁壺はまず四耳壺が現れ、やがてのちの万年固につながるような耳のない壺が現れるが、耳のない壺が現れても四耳壺はとって代わられることなく8世紀になっても作られ続けている。耳なしの壺が現れても必要とされる機能を読ん耳壺はもっていたということ、実用性において両者は異なる役割を持っていたということかもしれない。

掲載図書
常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018(解説 佐藤サアラ)