コレクション

白磁把杯

はく じ は はい

  • 高5.4㎝ 口径3.8㎝ 底径1.9㎝
  • 初唐~盛唐 7世紀末~8世紀初頭
No.21069

わずかに外に捻り返した口部から緩やかな曲線を描いて作り出された円い胴に環状の把手のついた把杯である。高台はなく、円底の底裏に径2㎝ほどのくぼみを作り底としている。環状の把手のある把杯は三彩含めて例は多いが、本作は把手の作りが丁寧で、単に円環を型抜きした扁平なものではなく、面取りが施されている。加えて胴との接着部には葉形の貼花文を施しており、ちょうど把手付け根の座金飾りのようである。この形は本来やきものの形ではなく、金属器を祖型としている。金属器を祖型とする白磁は多種あり、まず祖型となる金属器の出土が7世紀末の墓から見られるようになり、その後それらを写す白磁が8世紀にはいって出土するようになる。

掲載図書
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)
常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 三笠景子)