白磁把杯
はく じ は はい
- 高6.2㎝ 口径6.9㎝ 底径3.9㎝
- 初唐~盛唐 7世紀末~8世紀初頭
No.21071
裾からまっすぐに立ち上がった器壁が口縁で外に開く杯に環状の把手のつく把杯である。この形の杯は類品が多いが、面取り仕上げの把手、葉形の貼花文や口縁下の凸帯、裾の弦文など、金属器により忠実であろうとした作品は数少ない。この把杯は本来やきものの形ではなく、金属器を写したものである。墓からの出土資料から、この形の金属器杯が7世紀末から8世紀にかけて富裕階層の間で用いられており、8世紀を過ぎるとそれを写した白磁が作られるようになっていたことがうかがわれる。
掲載図書
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)
常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 三笠景子)