コレクション

白磁浄瓶

はく じ じょう へい

  • 高24.6㎝ 底径7.5㎝
  • 盛唐 8世紀
No.21063

肩に上向きの注ぎ口のついた「浄瓶」と呼ばれる形の瓶で、円い胴から伸びる長頸に蓋が載るように見えるが一体である。本来は金属器で、瓶を水の中に沈めて肩に付けた注口から水を入れ、頸部先端の細い孔から水を注ぐ仕組みになっている。本作はやや赤みを帯びた白い土に白化粧をした上に、白濁した釉を裾までかけている。白磁浄瓶の例は世に多いが、紀年墓出土品となると極めて少なく、本来の金属器についても墓からの出土はほとんどない。仏具として使用されるもので墓に埋納される類のものではない、ということなのかもしれない。金属器も含めた数少ない出土資料から、本作品の年代は8世紀、盛唐時代と考えたい。

掲載図書
常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018(解説 佐藤サアラ)