形は龍耳瓶と同種ながら、盤口を食むのは龍ではなく舌を出す獣、湾曲する把手の逞しさは龍耳瓶と一線を画している。龍耳瓶の登場をもって「初期白磁」の展開は後半に向かうが、本作にはむしろ古格が感じられる。
掲載図書 常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018年(解説 佐藤サアラ) 『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 三笠景子)