コレクション

白磁高足灯

はく じ こう そく とう

  • 高9.4㎝ 口径13.8㎝ 底径9.3㎝
  • 初唐
No.21067

透明の灰釉をかけて高火度焼成した白磁で、喇叭状に開く脚に角をとって斜めに立ち上がる縁を持つ盤がのる。その中央に受け座のようなものがあり、杯台(托)のようにも見えるが、この時代の盞や杯の底裏の作りではこのような小さな受けには収まらない。用途がはっきりしない器であるが、中央の受け座の部分が燭を置く台座の可能性を考え、ここでは仮に「灯」とした。釉はつややか、全体に網目状の貫入が入り、盤中央に付された環の内側、盤内縁際、脚の付け根など、釉が溜まるところは緑色のガラス状を呈している。盤中央に受け座のようなもののある高足盤の出土例はあるものの、脚の太さや縁の作りなどにおいて、本作と一致する出土品は現在までのところ見当たらない。

掲載図書
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)
常盤山文庫中国陶磁研究会会報7『初期白磁』公益財団法人常盤山文庫、2018年(解説 佐藤サアラ)