コレクション

竹林遊賢図  利光 筆

 ちくりんゆうけん ず  りこう

  • 紙本淡彩 46.9×33.6㎝
  • 室町時代 16世紀
No.13033

中国の魏晋朝時代に俗塵を避けて竹林に会し、清談に世事を忘れたという穏士七人を主題とする図を「竹林七賢図」と呼び、日本でも室町時代後期以後、勧戒的な意味を込めて、多く障屏画に描かれた。本図は賢人四名が全て向かって左方向を向くことから、当初は右を向く三名を描いた図をまって、一対としたものと思われる。
「利光」と読む朱文壺印は、『古画備考』がこの印を載せ、「利光」と読むとし、「伝能阿弥筆山水図にこの印あり、印文制光に近し」と註記する。現存作品で同印を持つものとしては、「瀟湘八景図」八幅(栃木県立博物館)、「瀟湘八景図」一幅(栃木県立博物館)、「布袋唐子図」(東京国立博物館)、「竹林七賢図」(バーク・コレクション)、「山水図」(ボストン美術館)などが知られる。

来歴 
 大田原子爵家

掲載図書
松下隆章『室町水墨画』第一輯、室町水墨画刊行会、1960年
『飛梅余香』常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)