竹石図 伝 李衎 筆
ちくせきず りかん
- 絹本墨画 108.2×45.4㎝
- 元時代 14世紀
No.12004
墨の濃淡を活かして、風にしなる三本の若竹と筍、地下茎を描く。左端中ほどに捺された「息斎」朱文方印により、本図は墨竹で有名な元時代の画家、李衎(号息斎道人 1245-1320)筆と伝えられてきた。実在感のある竹の表現や、墨の濃淡による前後関係の演出、すべらかな石の描法などは李衎の画風とも近く、元時代の古様な墨竹の様式を伝える作品と位置付けられる。
広島藩浅野家伝来であり、浅野家であつらえられた更紗の帙、狩野栄信(1775-1828)箱書の箱が付属する。高橋箒庵(1861-1937)は大正6年(1917)、本郷浅野邸で催された「読画会」でこれを見、李衎と呉鎮を並べて鑑賞できたのは「無上の眼福」と述べている。
来歴
広島藩浅野家 - 菅原通濟
掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)
『入城400年記念 広島浅野家の至宝 よみがえる大名文化』広島県立美術館、2019年(解説 隅川明宏)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 植松瑞希)