コレクション

芦葉達磨図  伝 陸仲澗筆

  • 絹本着色100.3×41.5cm
  • 南北朝時代 14世紀
No.12005

芦葉達磨という画題は、禅宗の初祖である菩提達磨が、インドから中国へ渡り梁の武帝と問答したものの意が通じず機縁がないことを知り、一枚の芦の葉に乗って長江を渡って北方へと去ったという伝説を描くものである。

本作は肩から袋を下げて左手に錫杖を持った達磨が、荒波上の芦に乗って後ろを振り返る姿で現されている。着衣を彩る赤と青の鮮やかな色調、風になびく衣文の細かな表現は、中国南宋時代の宮廷画家・梁楷の「出山釈迦図」(東京国立博物館所蔵)を彷彿とさせ、中国で制作された原本に倣った表現とみられる。

狩野探幽による極札や、狩野栄信の箱書きでは『君台観左右帳記』に元時代の画家として記載される陸仲澗の筆とされている。賛者は不明ながら、本作に付随する模写本(画像右)では、賛の末尾に捺される鼎印を「東林」と読んでいる。このことから、南北朝時代の禅僧・東林友丘(1369年没)による着賛である可能性が指摘されている。東林は一山一寧(1247-1317)の法嗣で、入元して月江正印(1267-1343)や楚石梵琦(1296‐1370)らに学ぶとともに。建長寺や円覚寺にも住しており、年代や活動状況に照らしても矛盾はない。浅野家伝来で更紗帙が付属している。

来歴
 広島藩浅野家伝来

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)
『常盤山文庫創立八十周年記念名品撰 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 高橋真作)