藻魚図屏風 伝 韓秀実 筆
そうぎょ ず びょうぶ かんしゅうじつ
- 絹本墨画 (右)128.2×76.7㎝ (左)127.9×76.5㎝
- 明時代 16世紀
No.12008
もと双幅であった掛軸が、やや切り詰められたうえで屏風に仕立てられたもの。右の図には鮒のような二匹の魚と一匹の鯉、左の図には二匹の鱖魚と鯉が描かれる。画面下の藻草と鮒、鱖魚は、空間の奥行が意識されて配置されるが、その上の鯉は、左右の対照性を意識しつつ、自然な大小関係や空間配置を無視して巨大に表されており、そのアンバランスが魅力となっている。
明時代以降の画家である韓秀実筆という鑑定は、狩野探幽によるものと伝わる。
来歴
広島藩浅野家伝来
掲載図書
『飛梅余香』財団法人常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『墨の美』常盤山文庫、1972年
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)
『入城400年記念 広島浅野家の至宝 よみがえる大名文化』広島県立美術館、2019年(解説 隅川明宏)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 植松瑞希)