コレクション

虎関師錬筆 梅花七律

こ かん し れん

  • 紙本墨書 30.3×65.7㎝
  • 南北朝時代・建武5年(1338)
No.11027

日本初の仏教通史である『元亨釈書』を記したことで知られる虎関師錬(1278-1346)は東福寺の学僧。無準師範、円爾、東山湛照に連なる法を嗣ぐ。徳治二年(1307)30歳の時、鎌倉建長寺で一山一寧に相見。一山から日本の高僧についての質問を受けたところが返答に詰まったことが、『元亨釈書』執筆のきっかけになったとされる。
虎関師錬の書は基本的には中国の黄庭堅の書風を倣うとされるが、本書は一山一寧が得意とする草書体の学びが見られる。
虎関師錬の漢詩文集『済北集』には「梅花」と題した七言律詩が九首載っており、この作品はその第八首目の詩を書写したものである。詩のあとには「建武五年晩秋九月中旬」の年記が書されている。
常盤山文庫には年記はないもののもう一首、同様の筆跡の梅花詩があり(11026)、『済北集』の四首目であることが確認されている。『済北集』には「早梅」「梅」「梅花」「紅梅」「瓶黄梅」「庭梅始花」などの詩が収められており、梅が虎関の好んだ詩題であったことがうかがわれる。

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 高橋範子)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 六人部克典)
ほか