遼時代の金属器の写しの三彩である。銀器を写した三彩には長盤や円盤が多いが本作は方盤で、遼寧省錦西西孤山の大安5年(1089)蕭忠孝墓、および内蒙古自治区赤峰市寧城県小劉杖子の遼墓から類品が出土している。本作は遼三彩としては薄作りで軽く丁寧に作られており、白化粧を施した上に施釉した釉色は明るく鮮やかである。
ジャン・フランチェスコ・ジャクイーリ・フェリーニ旧蔵。
掲載図書 杉村勇三『陶磁大系第40 遼の陶磁』平凡社、1947年。