青磁劃花文鉢
せい じ かっか もん はち
- 耀州窯 高7.7㎝ 口径18.1㎝ 底径6.5㎝
- 五代~北宋 10~11世紀
No.21056
黒っぽい土に白化粧し、見込み中央に捻じ花、内側面に唐草文を劃花で表してのち、施釉している。高台内も含めて内外総釉であるが、畳付きには三か所の大きな支焼痕に加え、その周囲にも粗い砂粒がついている。本作のような白化粧劃花文の作例は、陝西省考古研究所と耀州窯博物館が耀州窯の五代期とした黄堡窯窯址から大量に出土している。その器形は多岐にわたるが、その中には本作と器形、寸法ともに近いものもあり、本作も黄堡窯と考えてよいだろう。報告書『五代黄堡窯址』では、同じ白化粧のものでも高台裏の処理に気を使ったようものを五代最初期とし、本作のようなタイプのものは最末に位置付けている。
掲載図書
『常盤山文庫中国陶磁研究会会報5 青磁「東窯」』公益財団法人常盤山文庫、2013年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)