コレクション

青磁筍花入

  • 青磁、龍泉窯 高29.4cm
  • 南宋時代、13世紀
No.21096

下膨れの胴から頸がすっきりと長く伸び、その胴と頸に数条の弦文が施された瓶を、日本では「たけのこ」の名称で親しんできました。根津美術館所蔵の重要文化財はじめ、日本には筍花入が数多く存在しますが、当文庫のものは口作りが他と大きく異なります。他の筍の口部が広がることなく小ぶりであるのに対し外に大きく開いています。ただし口部口縁の作り、内に丸め込むように作られた縁は、根津美術館の作品はじめ、他の筍と同じです。本作の釉調、黄みの少ない緑、むしろ白っぽく灰色みを帯びる青色や、胴裾部と底裏に見えるに透明の貫入もまた、本作の特徴です。

掲載図書
佐藤サアラ「日本における青磁賞翫史 常盤山文庫所蔵南宋青磁を通して」『國華第1534号 特輯 常盤山文庫の宋元美術』國華社、2023年
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 三笠景子)