青磁蓮弁文碗
- 古越磁 高7.0㎝ 口径12.0㎝ 底径6.5㎝
- 南朝、5世紀
No.21048
平底の高台が削り出された丸碗で、目跡を残して底裏まで全体に青磁釉がかかっている。外側口縁下に圏線、胴に刻花二重蓮弁文、内側に劃花七弁蓮華文が伸びやかに表されている。5世紀から6世紀の中国南部では宋、斉、梁、陳という短命王朝が興亡を繰り返し、同時期の北部を支配した異民族王朝を北朝とするのに対し南朝と呼ばれる。この作品にみるような蓮弁装飾は南朝墓出土の青磁に盛んに見られる。碗のほか壷や瓶の肩、盤の見込みなどを飾り、南朝における蓮弁装飾の流行がうかがわれる。
本作の類品は福建省や江蘇省、江西省の5世紀後半の墓から出土があり、本作もそうした南朝の宋、斉頃の青磁の一つであろう。
掲載図書
『常盤山文庫と町田市立が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)