コレクション

国宝

馮子振墨蹟 易元吉巻跋

ふうししんぼくせき えきげんきつかんばつ

  • 紙本墨書 30.0×118.4cm
  • 元時代 14世紀
No.11019

元時代の文人馮子振(1257-1315)が、宋時代の画家易元吉が描いた草花草虫図の後ろに記した跋文。絵画の部分は失われてしまったが、跋文には草花草虫の素晴らしい描写に感動した様子がつづられている。
この墨蹟について、千利休が羽庵に宛てた書状が残っている。馮子振の墨蹟を褒め、「此ままにて然るべき候。切候ては曲無く候」と、現状のままがよい、切ってはならないと助言している。横長の大幅なため、床に合わないので切断することを相談されていたのではないだろうか。その助言は今日まで守られており、墨蹟伝来の一端を知ることが出来る。

掲載図書
『毘嵐巻』常盤山文庫、1954年(解説 田山方南)
『飛梅余香』財団法人常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『墨の美』常盤山文庫、1972年
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫創立50周年記念 茶席墨宝』根津美術館、1992年(解説 菅原壽雄)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 高橋範子)
『特別展 茶の湯』NHK・NHKプロモーション・毎日新聞社、2017年(解説 富田淳)
『特別展 京に生きる文化 茶の湯』京都国立博物館、2022年(解説 上杉智英)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 六人部克典)
ほか