コレクション

無学祖元筆 重陽上堂偈

  むがくそげん     ちょうよう じょうどうげ

  • 紙本墨書 26.0cm×64.8cm
  • 鎌倉時代 弘安2年(1279)
No.11009 

蘭渓道隆の法嗣、無学祖元の墨蹟である。「無学」は自称で、もとは子元祖元と号していた。蘭渓道隆亡き後、北条時宗の招聘により弘安2年(1279)に来日、建長寺で三年間を過たのち円覚寺開山となった。円覚寺は北条時宗が弘安5年(1282)に、元寇で命をおとした人々の冥福をいのる菩提を弔うために創建した寺である。この墨蹟は弘安2年(1279)、来日したその年の9月9日の重陽の日、菊の節句に行われた定期的な説法の場で詠んだ偈(宗教的な内容を読んだ詩)を、同年の年末12月8日夜に揮毫したものである。

来歴: 小堀遠州(1579-1647)、益田家旧蔵

掲載図書
『毘嵐巻』常盤山文庫、1954年(解説 田山方南)
『飛梅余香』財団法人常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『墨の美』常盤山文庫、1972年
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫創立50周年記念 茶席墨宝』根津美術館、1992年(解説 菅原壽雄)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 高橋範子)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 恵美千鶴子)
ほか