重要文化財
中峰明本筆 済侍者宛警策
ちゅうほうみんぽん さいじしゃ あて けいさく
- 紙本墨書 31.5cm×67.2cm
- 元時代 14世紀
No.11017
中峰明本(1263-1323)は中国元時代を代表する禅僧。官寺の招きに応じることなく、舟中に住んだり庵室に起伏したりして自らを「幻住」と称した。
中峰は浙江省杭州天目山の幻住庵に隠棲、その世俗を脱した高徳を慕って、日本から数多くの修行僧が訪れた。これは日本から渡った「済」という名の侍者に、その修行を励ますために与えた墨蹟(警策)である。
中峰の書体は独特で、笹の葉の先端の鋭さになぞらえて「笹葉(ささのは/ささっぱ)中峰」と評される。日本では宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう 大灯国師 1282-1337)がその書風を慕ったことが知られる。