コレクション

重要文化財

送海東上人帰国図  鍾唐傑・竇従周 賛

そうかいとうしょうにんきこくず しょうとうけつ・とうじゅうしゅうさん

  • 紙本淡彩 63.6cm×36.3cm
  • 南宋時代 紹熙5年(1194)頃
No.12001

日本からの留学僧が帰国に際し友人から贈られたものである。江戸の儒学者伊藤東涯(いとうとうがい1670-1736)の考証によって「栄西禅師帰朝図」として伝来したものの、送られた日本僧は栄西(1141-1215)の他、俊芿(しゅんしょう1166-1227)・重源(ちょうげん1121-1206)といった説があり、いまだ特定されていない。賛者である鍾唐傑・竇従周が日本僧と接点を持った時期として可能性が最も高いのが紹熙5年(1194)頃である。この時期は朱子学の日本初伝、日本禅宗の本格的移入の時期と重なっており、中国美術史のみならず日本美術史・儒学史・仏教史においても非常に重要な作品とみなされている。