拾得図 虎巌浄伏 賛
じっ とく ず こがんじょうふく
- 紙本墨画 73.9cm×32.4cm
- 元時代 13世紀
No.12002
やや前かがみになって経巻を開き、手前を見るように顔をあげた拾得の姿が、側面後方から描かれている。本図は静嘉堂文庫美術館所蔵の「寒山図」と対をなす。賛者の虎巌浄伏は(?‐1303)は南宋時代末から元時代初頭に活躍した臨済宗の僧。門下には月江正印(げっこうしょういん)・独孤淳朋(どくこじゅんぽう → 墨蹟作品11023)、明極楚俊(みんきそしゅん)ら元時代を代表する禅僧がいる。本作と静嘉堂文庫本の対幅は、宋末元初を代表する禅僧である虎巌の筆跡を示す現存唯一の作であり、また禅林における道釈人物画の展開を伺う上でも貴重な作例とされている。
掲載図書
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 高橋真作)
『國華 特輯 常盤山文庫の宋元美術』第1534号、國華社、2023年(解説 高橋真作)
ほか