コレクション

寒山図  伝 可翁 筆 大千恵照 賛

かんざん ず    かおう     だいせんえしょう

  • 紙本墨画 89.5×31.3㎝
  • 元~明時代 14世紀
No.12010

身をそらし手を後ろに組んで立つ寒山の姿が描かれる。寒山は中国唐時代、天台山国清寺にいたとされ、拾得(じっとく)とならんで、それぞれ文殊菩薩と普賢菩薩の化身とされる。箱書によれば本図は南北朝時代に活躍した可翁の伝称がある。賛者の大千恵照(1289-1373)は元末から明初にかけて活躍した臨済宗の禅僧である。天暦2年(1328)に明州(浙江省)育王山に住し、9年後に妙喜泉のほとりに夢庵を構えて隠棲した。賛末の白文方印「夢世」はその庵に因んだ号で、題賛が大千晩年のものであることがわかる。

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)