竹鳩図 伝 牧谿 筆
ちくきゅうず でん もっけい ひつ
- 絹本墨画 78.3cm×32.4cm
- 元時代 13-14世紀 頃
No.12011
宋末元初の禅画僧牧谿は蜀(四川省)の人で、無準師範(ぶしゅんしばん 1178-1249)の法嗣。本図のように竹枝にとまる鳩の姿は伝牧谿画としては珍しいが、探幽縮図(大倉集古館蔵「道釈人物花鳥画帖」)中に同図様の別本が写し取られており、この図様が牧谿のものとして流布していたことがわかる。鳩の羽は水気を多く含んだ筆でにじみを活かしており、竹葉は速度のある筆致で一気に描いている。こうした筆使いからも、本作は日本における牧谿イメージを支えてきた典型的な作例のひとつとされている。
