コレクション

竹鳩図  伝 牧谿 筆

 ちくきゅう ず    もっけい 

  • 絹本墨画 78.3cm×32.4cm
  • 元時代 13-14世紀
No.12011

右上に「牧谿」白文方印が捺されているとおり、牧谿の画風をよく伝える作品である。牧谿は、宋末元初の蜀(四川省)出身の禅僧で、高名な無準師範(ぶしゅんしばん 1178-1249 → 墨蹟作品11001)の教えを受け、杭州(浙江省)の西湖湖畔に六通寺を復興するなど、僧侶として活躍するかたわら、画家としても優れた作品を残した。宋から元にかけての禅余画家を代表する人物であり、特に日本で人気を博し、日本画壇にも多大な影響を与えた。
 本図のように竹枝にとまる鳩の姿は伝牧谿画としては珍しいが、探幽縮図(大倉集古館蔵「道釈人物花鳥画帖」)中に同図様の別本が写し取られており、この図様が牧谿のものとして流布していたことがわかる。鳩の羽は水気を多く含んだ筆にじみを活かしており、竹葉は速度のある筆致で一気に描いている。こうした筆使いからも、本作は日本における牧谿画の典型的な作例の一つとされている。
 狩野探幽(1602-74)、安信(1614-85)、常信(1636-1713)筆という外題三点、常信によるという箱書、添状が付属する。大名茶人として知られる松平不昧(1751-1818)の愛蔵品でもあり、『雲州蔵帳』「御茶器大名物之部」に記載される。

来歴
 松平不昧旧蔵品

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 板倉聖哲)
『東山御物の美』三井記念美術館、2014年(解説 板倉聖哲)
『常盤山文庫創立80周年記念名品選 蒐集のまなざし』公益財団法人常盤山文庫、2023年(解説 植松瑞希)
ほか