コレクション

白衣観音図  能阿弥 筆

びゃくえかんのん ず   のうあみ

  • 紙本墨画 97.6cm×32.6cm
  • 室町時代 15世紀
No.13027

蓮葉に安座する白衣観音を水墨の諧調を活かした没骨(もっこつ)描で表している。図中に「秀峰」の朱文鼎印が捺されている。この印は、応仁2年(1468)、72歳の能阿弥(1397-1471)が、子息周健喝食の供養のたっめに描かれたことのわかる基準作「白衣観音図」(個人蔵 重要文化財)に押されたものと同印である。能阿弥は連歌・聞香に通じ、唐物奉行として作品鑑定・座敷飾り・表具をおこなうなど、室町将軍家の同朋衆の一人として活躍し、芸阿弥・相阿弥の三代に亘ってそれは受け継がれた。上部の般若心経は後世に添えられたもの。

掲載図書
松下隆章『室町素墨画』第一輯、室町水墨画刊行会、1690年
『飛梅余香』財団法人常盤山文庫、1967年(解説 菅原壽雄)
『墨の美』常盤山文庫、1972年
『常盤山文庫名品展』神奈川県立博物館、1983年(解説 衛藤駿)
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)
ほか