コレクション

楊柳観音図  伝 可翁 筆 一山一寧 賛

ようりゅうかんのん ず     かおう     いっさんいちねい

  • 絹本墨画 82.4cm×38.5cm
  • 鎌倉時代 14世紀
No.13071

山中の清らかな岩に座す白衣観音のうち、側の水瓶に柳楊を挿すものは「楊柳観音」、滝を眺めるものは「滝見観音」と称され、いずれも禅僧に好まれた画題であった。本図の作者と伝わる可翁は14世紀に活躍した日本の初期水墨画を代表する画僧であるが、その伝歴は明らかになっていない。賛者の一山一寧(1247-1317 → 墨蹟作品11014)は、中国宋元、時代の禅僧で、元朝の使者として来日、そのまま帰国せず、建長寺・円覚寺・南禅寺等の住持を歴任した。詩書画に優れ、日本における五山文学の創始者とされる。

掲載図書
『常盤山文庫名品選 墨の彩り』常盤山文庫、2003年(解説 河合正朝)
『常盤山文庫×慶応義塾 臥遊―時をかける禅のまなざし』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2003年(解説 松谷芙美)