米色青磁杯
べいしょくせいじはい
- 官窯 高 4.9cm 口径9.3cm 底径2.7cm
- 南宋時代 12-13世紀
No.21010
中国南宋時代(1127-1279)、浙江省杭州には宮廷用の陶磁器を焼くための窯、官窯が置かれた。そこで焼かれた青磁のうち、酸化炎焼成によって黄褐色に焼きあがったものを、稲穂の色にたとえて米色青磁とよぶ。現在米色青磁とされている青磁は世界に4点、すべて日本にあり、うち3点が常盤山文庫の所蔵であり本作はそのひとつである。胴を鎬蓮弁状に作り、高台を薄く丁寧に仕上げた杯で、明るく柔らかな褐色の釉を細かな二重貫入が覆っている。
掲載図書
『神品とよばれたやきもの 宋磁展図録』朝日新聞社、1999年(解説 今井敦)
常盤山文庫中国陶磁研究会会報1『米色青磁』財団法人常盤山文庫、2008年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)