こうした貼花文を持つ緑釉の壺は世界各地に類例があり、かつては北朝のものとされたこともあったが、河南省の晩唐墓からの出土品が知られるようになったことで、近年では晩唐とされる傾向にある。一方、現存する一連の作品には器形・作行き・貼花文の種類にそれぞれ違いがあり、すべてを同時代のものとしてよいかどうかには疑問の余地がある。本作に関しては、張りのある形、入念な貼花装飾という点から、唐よりは前の隋と考えられる。