コレクション

米色青磁洗

べいしょくせいじせん

  • 官窯  高 5.4cm 口径19.7cm 底径11.4cm
  • 南宋時代 12-13世紀
No.21025

中国南宋時代(1127-1279)、浙江省杭州には宮廷用の陶磁器を焼くための窯、官窯が置かれた。そこで焼かれた青磁のうち、酸化炎焼成によって黄褐色に焼きあがったものを、稲穂の色にたとえて米色青磁とよぶ。現在米色青磁とされている青磁は世界に4点、すべて日本にあり、うち3点が常盤山文庫の所蔵であり本作はそのひとつである。「米色青磁」というくくりの中にあっても、3点の釉色がそれぞれ異なる趣を呈すように、酸化・還元の度合いによって生じる焼き上がりの色はさまざまで、その幅は広い。本作は高台裏に、奥深く幾重にも畳重なるような二重貫入があり、官窯の特徴を示している。

掲載図書
常盤山文庫中国陶磁研究会会報1『米色青磁』財団法人常盤山文庫、2008年(解説 佐藤サアラ)
『常盤山文庫と町田市立博物館が語る 中国陶磁うつくし』町田市立博物館、2016年(解説 佐藤サアラ)