東京国立博物館コレクション展《中国の青銅器》
- 期間
- 2025年10月21日~2026年3月8日
- 会場
- 東京国立博物館東洋館5室
東京国立博物館コレクション展《中国の青銅器》にて当財団所蔵の中国陶磁二点が展示されます。
緑釉貼花文大壺
白磁獣耳瓶
どちらも迫力のある作品です。
貼花文を持つ緑釉の壺は世界各地に類例があり、かつては北朝から隋のものと考えられましたが、河南省の墓からの出土品が知られるようになったことで、近年では晩唐とされる傾向にあります。一方で、現存する一連の作品には器形・作行き・貼花文の種類にそれぞれ違いがあり、すべてを同時代のものとしてよいかどうか疑問の余地も残します。本作の張りのある形、入念な貼花装飾をご覧いただきどうお感じになるか、壺の制作時について思いを馳せていただくのも楽しみのひとつかと思います。
唐時代のやきもので、龍が口部を食む把手を持つ龍耳瓶は世に数多くありますが、本作の盤口を食むのは龍ではなく舌を出す獣です。形式化していない獣の顔の表現、湾曲する把手の逞しさは龍耳瓶と一線を画し、古格が感じられます。
東博にお運びの際はぜひ東洋館にお立ち寄りいただきご覧いただければと思います。



