展示情報

東京国立博物館コレクション展《日本美術の流れ》

期間
2025年10月15日~11月30日
会場
東京国立博物館本館8室

東京国立博物館コレクション展で当文庫所蔵、狩野探幽筆「波濤群燕図」が展示されます。
「法印探幽行年六十九歳筆」の款記と「筆峰」の朱文瓢印があり、幕府御用絵師として狩野派の再編を行い、江戸時代画壇の中心たる位置を確固なものにした狩野探幽(1602-74)、69歳の製作であることがわかっている作品です。
くるくると舞い降りる二十一羽の群燕と、波間の岩から見上げる二羽の燕を描きます。燕の黒い背と白い腹とを交互に描き分けることで、燕たちが旋回しながら遊び戯れる様を巧みに表すと同時に、それらが重なり合うことで、燕の数を判然とさせないだまし絵のような趣向も凝らされています。あるいは、燕の群像表現だけでなく、一羽の燕の降下する様の異時同図表現、いわばアニメーション効果の双方が企図されているのかもしれません。極端に細い画面形式が、こうした機知に富んだ表現を存分に引き立てています。
ぜひご覧ください。

 

主な展示情報

  • 狩野探幽筆 波濤群燕図(部分)

  • 狩野探幽筆 波濤群燕図(部分)

  • 狩野探幽筆 波濤群燕図(部分)