展示情報

東京国立博物館:東博コレクション展《墳墓の世界》

期間
2026年3月24日~8月16日
会場
東京国立博物館東洋館8室

東京国立博物館の東博コレクション展「墳墓の世界」で、当財団の白磁天鶏壺が展示されます。

白磁天鶏壺
高24.8cm
隋 6世紀末‐7世紀初頭

盤口瓶に把手、肩に鶏の頭の形の飾りのつく「天鶏壺(てんけいこ)」と呼ばれる器種は、中国では東晋時代以来、青磁に始まり、北斉時代には鉛釉陶器、そして隋に白磁で現れ、消えていきます。常盤山文庫には白磁天鶏壺が二点あり、基本的な形こそ同じですが、その印象は大きく異なります。この作品は、胴裾までかかる釉が緑みを帯び、溜まったところは緑色にガラス化し、青磁とは呼べない白さがあるものの白磁と呼べる段階には達していないという、青磁から白磁への移行段階にあるような釉調です。
白という色は基本のように考えられがちですが、やきものにおいて白は望まなければ生まれない色です。鉄分の多い土に灰釉を施釉し高火度焼成してできたのが青磁です。その青磁の土や釉薬から鉄分を取り除くということで白磁は生まれています。つまり、白磁は望まなければ生み出せない、「白」を求める意思があって生まれたといえるでしょう。もちろん、青磁を作る技術がある限り、偶然に白磁が生まれることはあり得ますが、持続的に白磁を生産するためには、「白」を追求する意志がなければなりません。
なにがきっかけだったのかはわかりませんが、土や釉から雑物を取り除くことで白く硬いやきものができることに、なぜか隋の時代の人は目覚めたようです。まだ完璧な白に達していないこの作品。白を求めた人々の時代に想いを馳せてご覧になっていただければと思います。

主な展示情報

  • 白磁天鶏壺(部分) 白磁 高24.8cm 隋 6世紀末‐7世紀初頭