展示施設を持たない常盤山文庫は、他館開催の展覧会に出品協力することで所蔵品の公開を果たしております。
このたび根津美術館で常盤山文庫の名品展が開催されることになりました。この展覧会は、「清拙正澄墨蹟　遺偈」「馮子振墨蹟　易元吉画巻跋」の国宝２件を含む常盤山文庫の墨宝ともいうべき墨蹟と水墨画の優品を中心に、「彫漆雲文水注　犀皮」（初公開）などの工芸作品を加えて構成しています。これらは13世紀半ばから活発化した日中間の禅僧の往来の中で中国から請来され、あるいはその影響を受けてわが国で制作されたものでした。また、静嘉堂文庫美術館から「寒山図　虎巌浄伏賛」（重要文化財）が特別出陳され、常盤山の「拾得図」と対幅として制作された作品が5年ぶりに再会します。わが国の中世における中国文化受容の一端をご覧ください。
主な展示作品　　　　　
●　国宝　　◎　重要文化財
墨蹟
●清拙正澄墨蹟 遺偈　南北朝時代　　
●馮子振墨蹟 画巻跋　元時代
◎無準師範墨蹟 禅院牌字　南宋時代 　　　　
◎無学祖元墨蹟 重陽上堂偈 鎌倉時代
絵画
◎拾得図 虎巌浄伏賛　元時代
◎帰郷省親図　室町時代　　 　
月に兎図 蔵三筆　室町時代　
工芸
◎根来輪花天目盆 室町時代
彫漆雲文水注 犀皮　南宋時代