沿革
常盤山文庫のコレクションは、実業家である菅原通濟(1894-1981)の蒐集を母体としています。所蔵品は禅僧の墨蹟、中国・日本の絵画、中国陶磁、天神画像を四つの柱とし、現在国宝2点、重要文化財21点、重要美術品18点を含んでいます。
本格的蒐集が始まったのは戦中の昭和18年(1943)からで、常盤山文庫ではこの年を創立年としています。蒐集した美術品の周りに研究者が集い、学びの場が醸成されていきました。昭和29年(1954)、還暦を機に実業界から引退した通濟は公益事業に力を入れ、自宅のあった鎌倉常盤山の名を冠した財団法人常盤山文庫を設立、以後居所でのコレクション公開を開始しました。しかしながら、消防法の改定により木造家屋ので展示ができなくなり、現在は作品寄託先の東京国立博物館や九州国立博物館、慶應義塾ミュージアムコモンズでの展示や、国内外各地の美術館からの依頼による貸出し、その他学術目的に供する資料提供を行うことで、社会貢献に努めております。
近年では中国陶磁の蒐集も進み、財団内に長谷部楽爾先生を代表とする中国陶磁研究会を発足させ、その研究成果を会報として発行しております。既に7冊を数え、国内外の大学や美術館、研究者から反響がよせられ、学術貢献も果たしております。平成24年には公益財団法人として認可されました。
常盤山文庫 財団概要
名称 | 公益財団法人 常盤山文庫 |
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設立年 | 1943年 |
理事長 | 菅原 建 |
所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山4丁目26番18号 |