コレクション

重要文化財

無準師範墨蹟 禅院牌字

ぶしゅんしばんぼくせき ぜんいんはいじ

  • 紙本墨書 71.7cm×36.5cm
  • 南宋時代 13世紀
No.11001

「巡堂 じゅんどう」とは禅院での行事の際、諸堂于を巡ることで、本墨蹟は、それを周知するため僧堂に掲げる牌(看板)の原本として書かれたものと考えられる。

無準師範(1178-1249)は南宋時代の禅林中もっとも傑出した禅僧で、中国五山第一の径山(きんざん)万寿寺の第34世となり、在任20年に及んだ。日本から入宋して門下となった禅僧は多く、京都東福寺開山円爾(えんに 聖一国師  1202-80)もその一人である。その因縁により東福寺には円爾に贈られた無準の墨蹟が多く伝来し、額字19点などが現存している。正和5年(1316)に作成された東福寺文書『仏鑑禅師御筆額字目録』には46点の額字が記され、古く寺外に出たものが少なくないことがわかる。本墨蹟に捺された「普門院」の朱印は、本幅ももとは東福寺の什宝であったことを示している。